葬送儀礼と癒し 6/6
脚 注
1. 直葬では、葬儀社が遺族に僧侶の立会を勧める場合もあるようだが、それがどの程度行われているか、あるいはそれが遺族においてどの程度受け入れられているかは筆者には定かではない。
2. Jung CG(1932 老松訳 2004, p.108.)も各チャクラについて詳しい言及を行い、「チャクラであるムーラーダーラは土、スバディシュターナは水、それからマニプーラは火、最後にアナーハタは空気〔風〕」であり、「ヴィシュッダ(visuddha)、これはエーテル〔空〕(ether)のセンター」であると紹介している。
3. 地・水・火・風・空の梵字五文字を多少改変して、第二番目のヴィとラを会わせて「勇者」(ヴィーラ)という意味を含み込ませ、続けて読めば、『大日経』の大日如来の真言「ア・ヴィ・ラ・ウン・ケン」となる(頼富, 2000)。
4. ブラフマンはヒンズー教における宇宙の創造神である。他にヴィシュヌ神は宇宙の維持を司り、シヴァ神は宇宙の破壊を任務とし、三神は一体(トゥリムールティ)であり、同一の宇宙の最高原理が別様に現れたものとされる(前田,2000)。宇宙の最高原理は「プラジャー・パティ」という創造神にまで遡り、ブラフマンが宇宙を創造したと言うが、それはプラジャー・パティの下請的な行為であるとも解されるが、ブラフマンが宇宙を創造したという記述はウパニシャッド等に多く存在する。これらの混乱はあくまで創作として読めば理解できる。また多神教の神々の位置づけの史的変化でもある。
5. アートマンはバラモン教、ヒンズー教で使われる用語で、その語義は諸説存在するが、意識の最も深い内側にある実存の根源を意味し、「息をする(an)」に由来するとか、「行く(at)」という動詞が語源であるという説がある。あるいは、「吹く(av)」という動詞から派生したと考えられたりもする。ドイッセンはアートマンの語義として「われ(aham)」と「これ(ta)」の二つの代名詞が結合したものであり、「これなるわれ」すなわち「自己」を意味すると考える(中祖,1972)。
6. 本稿は心理療法を主題とするものではないので、セラピー内容は極力省略する。
7. ティク・ナット・ハン(2011, pp.25–26.)によると、『四念処経』には三種の経本が伝えられ、第一訳本はパーリ語のサティパッターナ・スッタから訳された上座部の経典であるという。第二訳本は「念処経」、第三訳本「一入道経」でありどちらも中国の経典であるという。なお、死体を思い浮かべる瞑想は第一訳本においてのみ九段階とされるが、第二訳本では五段階、第三訳本では八段階とされているという。
8. 米国精神医学会『精神疾患の分類と診断の手引き』医学書院、2002。(American Psychiatric Association, Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 2000.)