どこから来て、どこへ行くのか 堀 剛
どこから来て
どこへ行くのか
君たちは知らないと
老人が言った
めくる辞書の一ページの中の言葉の
偶然の一瞥に期待して
位置を失う
イメージの
彼方へ
僕は現在をすっかり手のひらで探るように
たどっている
論証される数学的命題は
論証の内部でしか存在しないのだとしたら
僕は僕の現在について
どのように君に証明するのか
雨音が
確かに
僕にも、君にも聞こえてはいるのだが